松姫様からの贈り物


「ありがとうお母さん!行ってきます!」

お母さんからお弁当を受け取って先に玄関を出てしまった湊くんを追いかけた。


「……なんだか結愛、今日いつもより明るい気がする…何かいい事でもあったのかしら?」


お母さんは私が慌てて出ていった玄関でふふっと小さく笑っていたのを私は知らない。


ふぅ……


湊くんと肩を並べて学校へ向かっている途中の私達。


松さんにもらった言葉……


『好きでいればいい』


『ぶつからなきゃ何も始まらない』


──そうだよね。


柏木くんに、ぶつからなきゃ……


でもぶつかるって一体、何をすればいいんだろう………挨拶、とか?
< 65 / 110 >

この作品をシェア

pagetop