松姫様からの贈り物
「竹下さん。こっちこっち」
小声でこちらを手招きした。
「お待たせ、柏木くん」
大丈夫大丈夫、と笑った柏木くん。
実は今からここでテスト勉強会をするのです。
あの時に言われた提案とは、図書室で2人で勉強会をして欲しいとの事で。
あの時に「柏木くん勉強得意じゃなかった?テストの順位いいのにどうして?」
私の質問に柏木くんは苦い顔をして
「……実は、化学が得意じゃなくてさ。もし竹下さんが化学できるなら聞きたいなぁと思って」と言った。
そして今に至るわけだけど………
図書室の1番奥の席で私の隣で黙々と問題を解く柏木くん。
柏木くんの横からそっと綺麗な顔を見つめた。
ミルクティー色で軽くウェーブがかかっているサラサラした髪。