松姫様からの贈り物


こんな自分嫌だって松さんの信忠さんとの恋愛話を聞いてる時に感じたはずなのに……


私──まだ、変われてないのかな………?


『結愛さんはその方にぶつかったの?』


『ぶつかってもぶつかってもダメだったら好きでいればいいと思うわ』


……そうだよ。あの時私は柏木くんに何もぶつかってないって思った。


ぶつからなきゃ、何も始まらない。


───そう、松さんが教えてくれたのに。


だから…勇気を出さなきゃ。



「柏木くん──」


私が柏木くんに声をかけようとした時にタイミングよく下校チャイムが鳴り響いた。
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