音楽が呼ぶ奇跡
震える体を抱きしめながら、お父さんに言う。
「……お父さん、お母さんや皆をここに連れてきてくれませんか?」
やった。言えた。
「あ、あぁ。分かった」
なんて言ったのかは分からないが、お父さんの行動と頷き方で了承してくれたのが分かった。
なんで、耳が聞こえないんだろう。私には、この耳と音楽しかないのに……
「待たせたな」
お父さんが連れてきた人は、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんだった。私は、三人兄弟の1番下の末っ子。次女になる。
勇気を持って声を出す。
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、聞いてくれますか?私は………倉敷神楽〈クラシキ カグラ〉は、耳が聞こえなくなりました」
涙目になりながら言うと、お母さんがため息をついて私の襟を掴んだ。
「はぁ、貴方って子は、一体何の冗談を言っているのかしか?貴方には、楽器を奏でる力とその耳しかないって言うのに………」
何を言っているのか分からない。音が耳を通さない。けど、お母さんの顔を見れば何となく分かる。怒っているんだ。そして、そして、私は……ここから出ていかないといけないんだ。だから、自分から言うんだ
「……お父さん、お母さんや皆をここに連れてきてくれませんか?」
やった。言えた。
「あ、あぁ。分かった」
なんて言ったのかは分からないが、お父さんの行動と頷き方で了承してくれたのが分かった。
なんで、耳が聞こえないんだろう。私には、この耳と音楽しかないのに……
「待たせたな」
お父さんが連れてきた人は、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんだった。私は、三人兄弟の1番下の末っ子。次女になる。
勇気を持って声を出す。
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、聞いてくれますか?私は………倉敷神楽〈クラシキ カグラ〉は、耳が聞こえなくなりました」
涙目になりながら言うと、お母さんがため息をついて私の襟を掴んだ。
「はぁ、貴方って子は、一体何の冗談を言っているのかしか?貴方には、楽器を奏でる力とその耳しかないって言うのに………」
何を言っているのか分からない。音が耳を通さない。けど、お母さんの顔を見れば何となく分かる。怒っているんだ。そして、そして、私は……ここから出ていかないといけないんだ。だから、自分から言うんだ