曇天の光
夕暮れが迫る中、七歳ほどの二人の少年が木に登って夕日を眺めていた。風が二人の髪を撫でていく。

「綺麗だな〜……」

「うん!政宗に見せたかったんだ!」

夕日に感動する少年に、友達はニコリと笑う。その人懐っこい笑顔はまるで子犬のようだ。

「僕は、いつかこの夕日みたいに情熱を持った特殊警察になりたい!」

友達の言葉に、少年は「奇遇だな。俺もなりたいって思ってたんだ」と笑う。

「マジか!じゃあさ、一緒になろう!」

「もちろん!」

二人は、夕日を見つめながら約束を交わした。



目を開けた刹那、ガバッと男性は体を起こした。先ほどまで眠っていたという余韻を感じさせず、ゼエハアと荒い息を吐く。

「……久しぶりだな。アイツの夢を見るなんて」

男性ーーー政宗(まさむね)は呟く。汗が滴り落ちたため、お風呂に入ろうと立ち上がった。決して悪夢ではなかったのだが、友達の夢を見ると悪夢を見た後のようになってしまう。
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