曇天の光
お風呂に入って汗を流すと、政宗は部屋にある制服に着替える。赤いネクタイが特徴的な黒い制服だ。政宗は腰に拳銃を隠し、身分証となる手帳も手にする。黒い警察手帳だ。

政宗は警察官として働いている。しかも、警察の中でも優秀なものしか所属できない特殊警察としてーーー。

特殊警察は、テロ行為を阻止したり巨大な犯罪組織を撲滅することを目的とし、日々活躍している。政宗は若いながらも班の隊長を任されていた。

「……行ってきます」

軽く朝ご飯を食べ、政宗は家を出る。今日も仕事だ。

職場に向かう足取りが重い。しかし、道を歩けば制服を見てみんなが「かっこいい!」と尊敬の目を向ける。命を懸けて国を守る特殊警察は、国民の憧れなのだ。その期待を裏切るわけにはいかない。

そして、友達との約束を守り続けるためにも働かなければならないのだ。



特殊警察の職場は、普通の警察署ではない。外部から攻撃されないようにするため、ビルの地下に作られている。

「おはようございます」
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