曇天の光
先輩たちに挨拶をしながら政宗は廊下を歩く。今日は会議がある日だ。逃亡している犯罪者たちの捜査状況などを報告しあう。
「……確かに、受け取った」
「ああ、よろしく頼む」
ある部屋の前を通った時、そんな声が聞こえた。政宗は足を止め、そっと部屋の中を覗く。特殊警察の中でも上の立場にいる道三(どうさん)が、豪華な着物を着た恰幅のいい男性からお金をもらっている。政宗は苛立ちを覚えた。
「何を見ておる」
道三と目が合い、睨まれる。男性はまずいという顔をしたが、道三はただ政宗を睨み付けていた。
「いえ、何でもありません」
政宗は何も見ていないと言い、また歩き出す。安心したような声が部屋から聞こえてきた。
本来なら見逃せるはずがないのだ。警察が市民からお金を受け取るなど不正行為だ。しかし、特殊警察では上の言うことは絶対なため、同じ特殊警察同士では罪を裁いたりしない。そんな勝手さに政宗は怒りが収まらなかった。
「……確かに、受け取った」
「ああ、よろしく頼む」
ある部屋の前を通った時、そんな声が聞こえた。政宗は足を止め、そっと部屋の中を覗く。特殊警察の中でも上の立場にいる道三(どうさん)が、豪華な着物を着た恰幅のいい男性からお金をもらっている。政宗は苛立ちを覚えた。
「何を見ておる」
道三と目が合い、睨まれる。男性はまずいという顔をしたが、道三はただ政宗を睨み付けていた。
「いえ、何でもありません」
政宗は何も見ていないと言い、また歩き出す。安心したような声が部屋から聞こえてきた。
本来なら見逃せるはずがないのだ。警察が市民からお金を受け取るなど不正行為だ。しかし、特殊警察では上の言うことは絶対なため、同じ特殊警察同士では罪を裁いたりしない。そんな勝手さに政宗は怒りが収まらなかった。