曇天の光
特殊警察は、表向きは犯罪組織の撲滅をしている組織と見られているが、実際は世間体を気にする不正まみれの組織だ。先ほどのようにお金持ちから資金を援助してもらったりするのは日常茶飯事である。

他にも、特殊警察の活躍を世の中に伝えるためと一般市民をお金で雇って大犯罪を起こさせたり、撲滅させる予定の犯罪組織と手を組んで行動したり、市民に教えることのできない秘密を山ほど抱えている。

政宗は、正義を貫こうと世に発表すると道三に言ったことがあった。しかし、彼は動じることなくこう言ったのだ。

「このことがバレれば、お前も特殊警察をクビだぞ?せっかく隊長になれたのにな?そこまでして正義というのは必要か?世の中は綺麗ではない。大人だからわかるだろう」

特殊警察は、選ばれた人しかなれない。どんなになりたくてもなれない人も大勢いる。そう思うと、政宗は職を失うのが怖くて言おうとするのをやめてしまう。

政宗は、幼い頃から特殊警察に憧れていた。そしてある友達と一緒に特殊警察になろうと約束したのだ。その友達は、約束をした翌日に行方不明になってしまったが、特殊警察になれば見つけられると思い、探し続けている。
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