曇天の光
「悪いけど、一緒に来てよ」

男性が妖艶な笑みを浮かべた刹那、政宗のみぞおちに痛みが走る。そして、目の前が真っ暗になった。



政宗が目を覚ますと、「あ、気が付いた?」と目の前であの男性が微笑んでいた。その顔は、先ほどの妖艶なものではなく、子どものような顔だ。

「……なっ!貴様!!」

政宗は慌てて男性に攻撃しようとしたが、手足を縛られていた。政宗の隠し持っていた武器はニコニコしている男性の背後に置かれている。

「貴様!!何が目的か知らんが、これは立派な犯罪だからな!!最低でも懲役五年はくらうと思え!!」

政宗は相手を睨み、大声を出す。しかし男性はニコニコしたままだ。感情が全く読めない。これが彼なりのポーカーフェイスなのだと政宗は理解した。

「政宗さん、そんな怒らないでよ。こうでもしないとあなたとマンツーマンで話せないでしょ?」

「俺の名前をどうやって知った?あと、俺が監視されていることも……」
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