国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?

未来?(レイファ)

「……レイ…レイファ……おき……レイファ様……」


ミミさんが、ずっと心配そうに呼んでくれている声が、朧げに聞こえてくる。
意識はあるし、周りの音はなんとなく聞こえるのに、目は開かないし身体も動かないの……私、何かしたかしら?

あ~あの人の、時間を遡ってしまったから。
ルラック君に、体力を使うって言われてたのに、助けた事に後悔は無いけど、起きないと舞踏会に行けないわ。迷惑をかけてしまう。


「昨日ぶりねレイファちゃん。  
レオン殿下からのご依頼で貴女を目覚めさせに来たわ!ルラックどう?」

(う~多分、力を補充中だよ。
遡ってしまったみたいだね。ルラックが補充してあげれば目覚めるよ~)

「待ちなさい…ルラックどうやって補充するのよ!」

(手っ取り早く、口からかな)

「駄目よ!それは絶対駄目!!他にもやり方あるでしょう」

(あるけどー時間が、かかるもん)

「かかってもいいから、やりなさい」

(わかったよ)


ラティラさんとルラック君の声が、はっきり聞こえて、頬に柔らかい感触が……ふわふわの毛が頬をスリスリしてる。

み、見たいです。きっと可愛い。ルラック君のスリスリ……あっなんだか身体がポカポカしてきました。


(ルラック君ありがとう。
後ね、私が妖精さんから貰ったもの、わかっちゃたよ……ある人の頬に触れたのね、その人との未来が見えちゃった。
でもね、私はその未来は嫌なのルラック君、私の見た未来変えれるかな)

(変えれないと思う……
物事にはプロセスがあるんだよ。
レイファは始まる前から結果を見てしまった、けれどもそこに行くまでの過程があるんだよ。
それが大事なの。君の その力も必要になる時が来ると思うよ。
それに全てが見えるわけでもないんだ。未来が見える力は気紛れなんだよ。)

(……………………………………)

(もう少しで動ける様になるからね)


瞼が軽くなってきました。ピクピクしてます。そっと押し上げると、目が開きました。

視界に入った光景は……顔見知りの方々が、心配そうに私を見つめてくれています。
以前に比べたら、なんて幸せなのでしょうか!
一年前の私にこの光景を見せても、何も信じないでしょう。
絶望感に溢れていたから…ルラック君の言っていた事はこういう事なのでしょうか。


「レイファどうだ?大丈夫か?」

「はい…レオン様おはようございます。ご迷惑を、おかけする事になってごめんなさい」

「何を言ってるんだ。良かった…安心した」

「レイファ嬢目覚めて良かったな。
この前みたいに、当分寝たままかと思ってしまったよ。
寝たままの状態には、俺は縁があってね。早めに起きてくれて嬉しいよ」

「エドウィンさんありがとうございます。もう大丈夫です」


エドウィンさんが優しく頭を撫でてくれました。
皆さんの暖かい気持ちが胸いっぱいに押し寄せてきます。嬉しい……



「皆様……ご心配をおかけいたしました。ごめんなさい……そしてありがとうございます」

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