国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?

不思議な湖(レイファ)


私の耳の側で、チャプチャプ音がする…


身体が何か、気持ちのいいものの上に乗って寝ている感じだ。
こんなにゆっくりしたのは初めて…嬉しい…幸せ…私は幸せを感じながら、ゆらゆら揺られていた。

ゆっくり目を開いたら、青空が広がり清々しい空気を感じた。

首を動かし見ると、周りは木々に囲まれているわね。その先は判らない。

私の下は、水面だわ…
水面?池?みたいな所で寝ていたようだわ。
身体や掌に当たる感触は水、試しに叩いてみても、パシャパシャ音がするのに、服は濡れていなく手も濡れない?不思議な場所。自分自身を、見下ろすと。

「えっ服?服が…着たこともない、真っ白な軽い着心地の良いドレスになってるわ?
いつも誰かのお古の服を、自分で縫ってサイズを合わせて着ていたのに。
こんな綺麗な服…私なんかに良いのかしら?

それに、此処は何処なのだろう?街で、男達に追いかけられて…叫んで…白い靄が…そこからの記憶が無いわ…」


何故?水の上に乗って居られるのか?身体を起こし座っても、下の水はしっかりしたもので、でも表面は水よね?ここはなんなのかしら?水の中を覗くと、透き通っていて、底があるだろうに底が見えない!?
どこ迄深さがあるのか?恐ろしくなり、身体がぶるっと震えた。

私は下に気をつけて恐る恐る立ち上がってみた。

やはり水の上なのにしっかりしている。
立ち上がれたので、一歩足を進めてみる。


「うん!何とか大丈夫そうね…っと?髪、髪が~~長くなってる?
目立たない様に肩ぐらいに切ってたのに?足首迄あるわ!!黒髪がこんなに長く……どうしよう?見つかったら…殺されるわ」


私は…恐怖で体が震えて止まらない。
自分で自分を抱き締めて震えを止める様に精一杯頑張ってみる。
しばらくすると少しは落ち着いた。
髪と服は、すっごく気になるけど、先ずは此処の場所の把握をしないと…


「怖いけど、危険では無いと思うんだけど…水の上からは出た方が良いかしらね?」


私は、ゆっくり歩いて端に向かってみた。
髪が邪魔だから手に絡めとり肩に担いだ、比較的早く地上に降り立つことができた。


「怖いくらい綺麗ね…生き物も 住んでない。
水草も無いなんて…不思議な程、綺麗な澄んだ水」
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