国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?
抜け出た先は(レイファ)
私は、先程迄寝ていた場所である湖みたいな不思議な水を見ていた。
「何故か心が休まる感じがするのよね。
ムチで打たれてジンジンしていた背中も痛く無いし、身体中に沢山あるミミズ腫れや青痣切り傷も、手足だけしか見てないけど消えている?不思議だわ?
それに…無気力だった心も、やる気に満ち満ちているわ。
こんな事幼い頃の未だ何も知らなかった私以来だわ」
私は水に近寄り掌で掬い口に含んだ。
「美味しい!なんだか勇気が出て来たわ~
怖いけど外を歩いてみましょう!大丈夫!私は頑張れる!!」
私は木々の方へゆっくりと歩みを進めた。
鬱蒼と茂った葉の間を抜けて外に出ると直ぐに開けた空間に出た?
「えっ此処は?」
さっきの池に戻ろうと振り返って見ても、木の一本も無くなっている。
「さっきまで此処に鬱蒼と茂った葉っぱが…無いわ?」
「おい君!どこから来た?此処は一本道だぞ。
この先の屋敷からここの道が良く見えるんだ。
私は観ていたんだが…君は突然現れたぞ!」
目の前には白馬に乗った男性が居た。
今まで私の事を、一目見ると人間は嫌な目になるのに、この人は違う?
不審げには観ているが、嫌悪は無いみたい。
なんだか嬉しいです。私は自然に笑顔になり。
「私はレイファと言います。此処には良くわかりませんが…さっきまで木々に囲まれた不思議な池があったのですが……消えました…あの…あの…」
男性は、ストンと白馬から身軽に降りて私の目の前に歩いて来た。
「怪しい者ではなさそうだな、私はレオンだ。
この先には私の母の屋敷があるんだが…まあ大丈夫だろう、来い!」
レオンさんは、私に近寄り腰に手を置き白馬に乗せた。
「うわ~レオンさん!高い高いです。
怖いです落ちます」
「大丈夫だよ。馬に乗った事無いのか?ちょと待てよ」
あたふたしている私を見て、レオンさんはフワリと白馬に乗って来た。私が居るのに乗って来た!?あり得ない~!
「レオンさん近い!近い!近いです!私降ります!下ろしてください」
「屋敷迄一本道だが、結構歩くと距離あるぞ!
馬で行くのが手っ取り早い、落ちないように私に捕まってろよ!じゃ行くぞ!」
「うわー動いたぁー!レオンさん落ちます!身体が白馬から浮き上がります」
「ごめんごめん!ゆっくり行こう、シリスゆっくりな」
レオンさんは優しく白馬に語りかけると、白馬…シリスさんは、ちゃんとゆっくり歩いてくれました。
「シリスさんありがとうございます、賢いですね。シリスさんは」
話しかけると、シリスさんは鳴き声で答えてくれました。動物さん達は大好きです。辛い時動物さん達がいつも慰めてくれたから…
(わたしも、あなたがすきよ)
「えっ?」
「どうした?大丈夫か、しっかり捕まらないと本当に落ちるぞ」
「は、はい!」
今頭の中に、言葉が飛び込んできた…
(それ!わたしよ、わたし)
「えーーーーーーー!」