君の嘘に花束を


身支度を終えた私は朝ごはんを食べて、誰もいない家に向かって「行ってきまーす」と声をかけ家を出る。


両親の仲は相変わらず悪い。


しかし2人とも仕事に追われているため朝も昼も夜も家族3人揃うことは滅多にないから私には気が楽だった。


セミの声を聞きながら暑い道を駅までのろのろ歩き電車に乗った。


一番前の車両の端っこが私の特等席。


まだ人が少ないためいつも空いているこの車両は、学校の最寄駅の改札と真反対にあるため同じ学校の子とはなかなか会わない。

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