君の嘘に花束を



「このやろうっ」



誰に向けてでもなく叫んで、私は思いっきり右足の靴を飛ばした。


小さな水色の靴は空高くポーンと飛んでいく。




上を見上げるが太陽が眩しくてうまく靴を追えない。


空の青さが靴を包み込むようだった。



靴はそのまま地面に落ちてコロコロと転がっていった。



片足で取りに行くのも面倒くさくて、しばらく片足靴下でブランコを漕ぐ。

< 3 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop