弥生花音 童話集 1
おやこでクッキングーーほのか3さいはじめてのおてつだい
あるところに、ほいくえんにかよう、ほのかちゃんという3さいの女の子がいました。

今日は、ほいくえんのせんせいがこんなことをいいました。

「きょうは、みんな、おうちにかえったら、おてつだいをなにかしましょうね。みんな、大きくなったから、できるよね?」

「はーい!!」

ほのかちゃんも、みんなといっしょにげんきにへんじをしました。

いつもどおり、夕方5じはんに、ほのかちゃんのママがむかえにきました。

「ほのか~!おまたせ~」

「きょうも、ほいくえん、たのしかったよ。あのね、ママ・・・」

「なぁに?」

「ほのか、ママのおりょうりのおてつだいしたいの」

(りょうりのてつだいね・・・。ほのかもそんな年になったのね。でも、ほうちょうは、まだあぶないから・・・)

ほのかちゃんのママはかんがえます。

その日、かえりに近所のようふくやさんで、ほのかちゃんようの小さなエプロンをかいました。

その日のメニューは、チキンステーキとマカロニサラダにすることにしました。

ママもほのかちゃんもエプロンをつけて、じゅんびはしっかりできました。

「ほのか、ママ、とりにくをやくから、ほのかはおなべに水を入れてくれる?」

「わかった。火をつけるのは、ママがやってね。ほのかは、『ふっとう』するまで見てる」

「ほのか、『ふっとう』って、よく知ってたね」

ほのかちゃんのママはびっくりです。

「おままごとで、せんせいがいっていたの。ぶくぶくってすることでしょう?」

ほのかちゃんは、目をきらきらさせていいます。

「そうよ。そうしたら、マカロニを入れるの。おゆがはねるとあぶないから、ママがやるね」

ほのかちゃんは、ちょっとざんねんそうです。

とりにくをやいて、おゆをわかしているあいだに、ほのかちゃんのママは、コーンとグリーンピースのかんづめをあけました。

「あっ、『ふっとう』したよ」

ほのかちゃんがママにおしえます。ママがマカロニを入れ、5ふんでゆであがりです。ざーっとおゆをきり、ボウルにいれました。

ほのかちゃんのママが、れいぞうこからレタスをだします。

「ほのか、レタスをちぎってくれる?たべやすいように小さくね。ママのと、パパのと、ほのかのおさらにしいてちょうだい。」

「うん、わかった。」

ほのかちゃんは、ひっしになってレタスをちぎります。ゆかにすこしおちてしまいますが、ママはきにしません。あとでおそうじすればいいだけだからね。

「このくらい?」

「じょうできよ!そしたら、こんどはねぇ」

コーンとグリーンピースのかんづめのとうじょうです。

「これをマカロニにまぜてね。このながいおはしで」

ほのかちゃんは、マカロニのボウルにコーンとグリーンピースを入れてまぜました。

ほのかちゃんのママは、れいぞうこからマヨネーズをだし、ちょっとしんけんにいいます。

「ほのかシェフ、あなたにじゅうようなやくめをまかせます。これをスプーンに3はいくらいいれてまぜて、おいしいかどうかみて、もうすこししょっぱいほうがいいな、とおもったら、すこぉしずつ、たしてね」

「おまかせください」

ほのかちゃんはわらいます。ママもわらいます。

スプーン3はいいれて、ほのかちゃんはいくつかマカロニをたべました。おいしいっ!いっぱいたべそうになります。だめだめ、これはあじみ。ほのかちゃんはじぶんにいいきかせます。

「おいしくできたよ」ほのかちゃんが言います。「ママもひとつたべてみて」

ほのかちゃんのママがひとつたべてみます。

「うん、ほのかシェフ、てんさい。じゃあ、レタスの上にもってくれる?」

ほのかちゃんは、かおをかがやかせました。「わかった」

ほのかちゃんなりのこだわりで、おさらにもりつけました。なかなかのできあがりです。

「ただいま~」

「あ、パパだ~。おかえりなさい」

ほのかちゃんが、げんかんまではしっていきました。

パパはほのかちゃんをだっこすると、すばやくエプロンにきづきました。

「おぉ、きょうは、ほのかシェフのはじめてのおりょうりだね?」

「サラダだけだけどね」

ほのかちゃんは、ちょっぴりてれくさそうです。

「ほのか、おりょうりをテーブルにはこぶのてつだってくれる?」

「うん」

ほのかちゃんは、サラダをはこびます。

「いただきま~す」

かぞくみんなでテーブルをかこみます。

「じゃあ、ほのかのサラダからいただこうかな」パパがいいます。

ほのかちゃんは、じ~っとパパのほうをみています。

「ほのかぁ、そんなにみられると、パパ、はずかしくてたべられないよ」

「そっかぁ」

ほのかちゃんがわらいます。パパとママもわらいます。

「おいしいよ。さいこうのあじつけだね」

「ほんとう?」

「ほのかは、りょうりのさいのうがあるなぁ」パパがいいます。

「ほんとうね。ママのよりおいしいわよ」ママもいいます。

ほのかちゃんは、うれしくてたまりません。

ほのかちゃんは、よるごはんのあと、マカロニサラダのえをかいて、「あした、せんせいにみせる!」といいました。

よる、ほのかちゃんのねがおを見ながら、ほのかちゃんのパパがいいました。

「ほのかにもできるりょうりがあるんだな。これからがたのしみだ」

「ママのりょうりより、ほのかのほうがおいしい、っていう日もちかいかもね」

ほのかちゃんのママがわらっていいました。

その日も、いつものように、3人でしあわせにねむりました。

さて、ほのかちゃん、こんどはどんなりょうりにちょうせんするのでしょうか。

たのしみですね。


おしまい。
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