。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


ミリタリースクールで教えられた。


敵に隙を見せるな、と。


戦場では常に敵の標的になっている。臨機応変に立ち回る頭脳と行動力が必要とされる。


いくらタイガが俺たちを返り討ちにしたところで、ネズミの手の中。そうならないように何か隠し玉を持っているに違いない。その隠し玉が気になるが、


まずは先取攻撃だ。俺の攻撃をこいつはどうかわすのか。ヤツの出方を見る。




「あんたがスネークやってこと、俺たちは分かってんで」




直球で聞くと、タイガは楽しそうに笑い


「随分直球だね。で?根拠は?」と聞いてくる。「まさか証拠やある程度の確証が無くて、私を問い詰めるつもりかい?


生憎だが、私はあっさり認めないよ」


とカップをソーサーに置き、少しだけ身を乗り出す。


ここで後退したら相手に隙を見せることになる。俺もちょっと身を乗り出しタイガとまともに対峙して睨んだ。


「ある程度の状況証拠は揃ってんだ、言い逃れはできねぇよ」


「別に言い逃れをするつもりはないさ。“認めない”とは言ったが、私にたどり着いたのは称賛しよう。


君たちが何をどう知っているのか、聞かせて貰おうか」タイガの目の奥で赤い光が小さく渦巻いている。


なるほど、自ら俺たちに種明かしをするつもは無いらしい。


こいつの意図が分からないが、話に乗って出方を見るのも手だ。


今はタイガの手の内を知るのが先だ。




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