。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「あんたには、妹がいたみたいだな」
と、腕を組んでタイガに笑いかけると、今まで余裕の笑みを浮かべていたタイガの表情が変わった。
口から笑みは消えたが、依然どこか余裕が感じられる。タイガは膝の上に突いた肘の上で、ゆっくりと手を合わせた。
「あんたは俺たちのチームワークを利用して、朔羅に『タイガには妹が居た、けれど故郷で死んだ』と言ったらしいな」
「本当のことだ?」
タイガがじっと俺を見据えてきた。
少し……ほんの少しだが風向きが変わった気がした。
ここで一気に畳みかけるか。
「でも事実と少し違う。あんたには妹が
二人いた。
そのうちの一人、水の事故で死んだのは玄蛇 深夕」
タイガはさっきまで余裕の笑みを浮かべていたが、今はつるりと無表情で俺の話に耳を傾けている。同意も反論もないが、タイガに口を挟ませないのが、こいつの退路を断つ手。
「だが、あんたの妹はもう一人は生き残っている。
その女は
朝霧――――」