。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。

居酒屋!?



☆ 居酒屋!? ☆



鴇田の事務所の前、タチバナがライフルを向けていたのが気になって後ろをちらちら確認していると、後部座席……隣に座った叔父貴が


「何だ?面白いものでもあるのか?」とちょっと気にしたように叔父貴も背後を振り返る。


「う、ううん!何もない!」


と慌てて言うと


「お前、飯は?まだ食ってなかったら久しぶりに外で食事でもしないか?」


と聞かれ


「う、うん……まだご飯は食べてない……」


でも叔父貴と二人で食事って―――戒が知ったらあいつまた怒るよな…


と思って、慌てて頭を横に振った。


てかあたしはあいつと喧嘩(?)してるもん。食事ぐらいならいいだろ!


「フレンチ、イタリアン、中華、寿司……どこがいい?お前の食いたいもんを選べ」と言われて


うーん……あたしは考え込んだ。


フレンチとかイタリアンって、どうもあたしには敷居が高いって言うか……あのかしこまった雰囲気も苦手だし、緊張してると味も分かんねぇし…と考えて


「あ!あたし行きたいとこある!」


と勢いよく挙手すると


「どこだ?」と叔父貴は微笑を浮かべて聞いてくる。




「居酒屋さん」




と言うと叔父貴は意外そうに目をぱちぱち。


「居酒屋ぁ?」とちょっと不服(?)そうではあるが


「まぁお前が行きたいって言うんならそこにするが」と、またすぐ笑う。


だってホントに居酒屋ってのに行ってみたかったんだもん。高校生のあたしが気軽に入れるような店じゃないし、一応ホゴシャな叔父貴がいれば入れるだろうし~


叔父貴は運転席で運転している(お抱えの?)運転手さんにその辺で止まるように指示。


東京の街は居酒屋ってのがその辺でいくらでもある。


運転手さんに


「また連絡する」と伝えると


「かしこまりました」と恭しく頭を下げ、降りるときにドアを開けてくれた。


普通の居酒屋さんに行きたかったのに、この時点ですでに「ふつー」じゃねぇし。



「VIP!?」

「誰!もしかして芸能人?」



と行きかう人がひそひそ。


あたしたち「ふつー」に終われるのかな……


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