。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「タチバナと叔父貴が合コンだったら(色んな意味で)最強だな」


あたしは「あはは」と笑うと、


「あんときは色々大変だった」と叔父貴はあさっての方を見てしみじみ。


あー…まぁ?女たちが二人を取り合って~ってのが容易に想像つくが。


血を見そう…


「何故か狙ってる女がタチバナと被った。トイレに立ったとき、二人でマジ喧嘩して、血だらけになって


席に戻って俺たちの顔見て女たちはドン引き」


あー、まぁ、想像できるよね、うん。


叔父貴と合コン、色んな意味で危険だな!


マジもんの血かよ!


てかタチバナぁ!!叔父貴の美しい顔に何してくれるんだよ!!


てかあいつ……意外に強いのな…


ディテクティブごっこをして、リコと後を尾けていったときもあっさりまかれたし…


そんなことを考えていると叔父貴が注文してくれた料理が運ばれてきて、二人掛けのテーブルにはすぐにいっぱいの料理が所狭しと並んだ。


その料理を目にするとタチバナのことはどーだっていい気になった。つまりそれぐらいうまそうだったわけで。


「叔父貴って普段なに食ってんの?ちゃんと食ってる?」


最近痩せた……っていうかやつれた(?)ことが気になって聞いてみると


「まぁその時々だな。取引先との会食がありゃ懐石とか中華とか行くし、忙しいとコンビニの弁当とかになる」


「えー、叔父貴がコンビニ弁当とか激しく不釣り合い。てかコンビニ弁当は栄養偏るよ~」と口を尖らせると


「俺だってコンビニ弁当ぐらい食う。牛丼屋だって入るし、立ち食いの蕎麦屋も行く」


牛丼屋……立ち食い蕎麦…?


激しく不釣り合いだぜ。


「でも不思議なんだよな……何故かそうゆうとこ行くと、俺の周りから人がいなくなる。慌てて食って帰る、とか。


まぁそゆう所行くときは忙しすぎて時間がなくて不機嫌だからな、ちょっと雰囲気が怖いのかもしれん」


叔父貴は真剣に考えている。


そりゃそうだ……


不機嫌叔父貴の怖さは充分に知ってるだけに、納得しちまったり。


知らない人が見れば『ちょっと』どころか、『かなり』怖いに決まってる。


こんな場違いに超絶!美しくて、同時にこっわい男が一人で立ち食い蕎麦なんて食ってて背後に


『ゴゴゴゴゴゴ!』てな効果音をつけたくなるような雰囲気だったら、誰だって逃げたくなるっつうの。


とは言い出せず、あたしはもそもそとだし巻き卵を口にしていると


TRRRR…


叔父貴のスーツの中で電話の着信音が聞こえてきた。


叔父貴はケータイを取り出し、ディスプレイを眺めると、さっきまで和やか(?)ムードだったのに、わずかに顔をしかめた。




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