。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
龍崎組に帰ってすぐに、晩酌途中だったマサさんに「朔羅さんは帰ってます?」と聞くと
「帰ってるけど?」とマサさんが訝しんで腕を組む。「お嬢に何でぃ」とマサさんはまたまた疑いの眼。
とりあえずは無事だってことだな。ま、琢磨さんが一緒なら命の保証はされているだろうが。
「買い物頼まれてたんですけど、目的のものが無くて」と響輔が言い訳を述べ、マサさんもそれ以上は突っ込まず、居間に引っ込んでいった。
すぐに台所に向かい、片っ端から棚を開いた。響輔も同じように棚の中を漁っている。
「ココアの粉が確かあった筈…」
ガサガサっ
ほとんど家探しに近い乱暴な手つきであちこちを探ってると
「何でぃ、お前ら帰ってきたんかよ」
と、朔羅が顔を出し
むやみやたらと棚の中を探っていた俺と響輔は思わず顔を見合わせた。
「何探してんだよ」
じとっと不審そうに俺たちを睨み
「こ…コーヒーを…」と苦し紛れに言い訳すると、朔羅は手慣れた様子で近くにある引き出しを開け、その中にあるインスタントコーヒーの粉を出した。
「ほらよ」とぶっきらぼうに言って「探すのは勝手だが、ちゃんと片付けしとけよ」と不愛想に引っ込んで
「やっぱアイツ……怒ってるよなー…」
はぁ
スネークの手からは逃れられても、今度は朔羅が俺から逃げそうだ。