。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



朔羅が引き出した引き出しの中を覗きこんでいた響輔が


「ありました」とココアのパックを見つけだし、


「よっしゃ!早速作ろうぜ!」


と意気込んだものの


「アイスってどう作りゃいいんだ?」


「説明がここに書いてあります。何なに?ココアをティースプーンで3杯入れ、その後熱湯を注ぐ…?ティースプーンてこの家にあるんですか?」


俺たちは料理となるとホント、ダメダメで


「あちっ!火傷した!」


「氷はどれぐらい入れれば?」


と、どっかまとまりがねぇ。


そう考えると、朔羅はマジで神だな!


それでも何とかアイスココアを作って、その中にタイガから奪ってきた解毒剤を…心配だから一滴だけ混ぜ、それを朔羅に飲ませ……


グラスに入ったアイスココアをトレーに乗せたところで


「響ちゃん、行ってくれる?」と俺はズイと響輔にトレーを押し付けると


「はぁ?戒さんが居なきゃ意味がないじゃないですか」


ま、まぁそうだけど……


「でもアイツ絶対怒ってるもん!」


「しゃーないじゃないですか。これを機に仲直りしてください。何せ期限は一週間なので」


「分かってるけどよー」と口を尖らせながらも押し付けたトレーを奪うと


「お前、ぜってぇ俺から離れるなよ。朔羅にもし何かあったらお前が居りゃ何とかなる」


認めたくないが、俺の抗原で反応しても響輔の抗体で元に戻る仕組みらしいからな。




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