。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
でも、まぁ二人がそう言うんならそうなんだろう。
疲れてんのかな…
首をこきこき回しながら、あたしは部屋を出ると台所に向かった。
考えたらお昼のお弁当以来、何も食ってねぇしな。そりゃ腹も減るわ。
適当な物でも作ろうかな~…あ、でもピザ取ったって言ってたよな。余り、あるかな~
と思いながら台所の引き戸を開けると
ダイニングテーブルの上は、想像以上に散らかっていて、ピザの空き箱やら、ビールの空き缶やら焼酎の空き瓶やらが転がっていた。
「あたしが居なけりゃ、この状態!あいつら一度説教だな!」
と怒りながら、ゴミ袋を取り出し、目当てのピザの箱の中を開けると、ピザ生地の屑とチーズの欠片が残ってるだけで、空だった。
「やっぱねぇよな」
独り言を漏らし、ゴミ袋にピザの空き箱を放り入れようとした、ところで
あれ?
このピザの箱、どっかで見た記憶が―――
と目をパチパチさせて
「ああ、そうだ。戒がはじめて急性胃炎になっちまって、鈴音姐さんが来たろ?(それはまぁ襲撃のように凄かったけどな)
んで、あたしは叔父貴のマンションに連れてかれて(半ば強制送還みたいな形だった)
そこで見たんだ…」
ピザのパッケージは白地に、緑と白と赤の国旗(←イタリアです)がちっちゃく載ってて、英字が筆記体で書かれている。
かろうじて
Lombardia Milano と、店名だろうな……が書いてあるのが分かるが、意味まで分からない。
偶然??
これを取ったのはタクって言ってたよな…
そう考えていると
ガハハ!と言う相変わらず品位の欠片もないタクの笑い声が聞こえてきて、ピザの箱をゴミ袋に入れるところで、ガラっと引き戸が開いた。