。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


何から切り出したらいいか分からず口を噤んでいると、テーブルの上に響輔がトレーを置き


「仲直りしたいらしいですよ?戒さんが。


このココアで手を打ってくれませんか?戒さん(と俺)が作ったんです」


と、どストレートに言いやがって!大体朔羅がこんなアイスココアで釣られるとはなぁ…


「お、うまそうじゃん♪」


朔羅の機嫌は一変した。


釣られた??


アイスココアの勢いに乗って、俺は正座して頭を下げた。


「何か、イロイロごめんなさい」


素直に謝ると、朔羅はちょっと驚いたように目をぱちぱち。響輔の手前あんまり怒ってるのもどうかと思ったんだろう、


「べ、別にいいけど」と俯く。


響輔……色んな意味で防波堤だな。


照れ隠しなのだろうか


「うまそうだな!」と早速ココアを手にしてグラスに口を付ける。白い喉が上下するのを、俺と響輔がガン見してると


「な……何だよ…二人揃って…毒でも入ってんのか?」


と朔羅が顔を歪める。


毒!?


て言葉に過剰に反応する俺たち。


「いやっ!慣れない俺たちが作ったから分量とか大丈夫だったかなー…と」


く、苦しい言い訳ー…


と顔をひくつかせていると


「う゛!!!!」


朔羅は口元を押さえ目を開いた。


くっそ!やっぱあの解毒剤はスネークの罠だったか!


と思ったが


「にっが!!これ何が入ってんの!?」


え……


俺が目をまばたいていると「どうやらタイガさんの言うことは本当だったみたいですね」と響輔が、「苦い…」とぼやいている朔羅に気づかれないようにボソっ。


それもそうだが、まだ完全なクリアとは言い難い。




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