。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
*戒Side*
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** 戒Side **
朔羅の部屋から出て、響輔と二人ほぼ同時にほぉ~っとため息をついた。
「かなり強引な話でしたよ、結果お嬢が楽しそうで良かったですが」
俺の部屋でビールを飲みながら響輔がため息をつく。
確かに強引だった。いきなり、な提案だったし旅行行きたいって言い出したときはすでに響輔も自分がくっついてくる計算でいたに違いないが。
イチを誘わせたことを今更ながらちょっと後悔。あの女、集団行動とか無理そうじゃん?
それに何より川上だってキマヅイだろう。
「こう見えても悪いと思ってる」反省する意味で眉を下げ、響輔のグラスの中にビールを注いでやっていると
「誰も…」
ビールが流れて行く様を見ながら響輔がぽつりと切り出した。
「誰も悪くないし、後ろめたく思わなくてもいいんですけどね…
俺、リコさんを傷つけてばっかや」
響輔は力なく…自嘲じみた笑みを浮かべていた。
「お前のせいじゃない。俺が言い出したことだし」
俺も……進藤に川上を泣かせるな、と言ったが、俺が一番
川上を傷つけてるのかも。
今後の動きによっては朔羅とは―――もしかしてもう一生元に戻らない関係になっちまうかもしれない。絶対そうはさせないが。
それでも
天秤にかけるつもりはないが、一週間と言う期限の中、想い出を焼きつけるように
一週間だけは
ごめん、川上。