。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「響ちゃんが俺を置いて、また一つ大人の階段のぼっちゃった…」
ビールを飲んでしゅんとしていると
「はぁ?」と響輔が怪訝そうにしている。
「この旅行でもう一段階段のぼるかもしれないから、これ、プレゼント」
俺は響輔の胸にドンと“ブツ”を突きつけた。
響輔は少しの間目をまばたいていたものの、すぐに大人しく俺の手の中から“ブツ”を受け取って、目を開いた。だがすぐに、すぅっと目を細めて
「何なんですか、これ」
と、冷たく一言。
「何て、コンドー…」
「んなの、見りゃ分かるわ!」
ベシッ!
響輔はゴムのパッケージを俺に投げつけた。まともにその攻撃を食らった。
「大体、あんな大人数の旅行の中、できるかぁ」
「ゴロー(※)は、高校ん修学旅行のときした言うてたよ」
「ほんまですか。ゴロー……あいつも謎ですね」
※:ゴロー:Cherryシリーズに度々登場してくる、戒の同級生です♪
結局、俺はゴムを響輔に押し付けた。最後は「まぁ一応?」と苦笑いで受け取ってたけど。