。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


お前は早よ、イチと合体しろ!そんでもって朔羅のこと諦めろ、諦めろ~…


心の中でブツブツ念仏を唱えていると


「戒さん」


「あ?」


「心の中の言葉、駄々漏れです。最近ユズさんに感化されてきてるんじゃ」


「あ、あはは~…」


何とか苦笑いでかわしたけれど


「戒さん…」


響輔が真剣な目で俺を見てきて


な、何や…俺まだ何も言うてへんで……と構えていたら


「マムシドリンクって効くんですかね」


と、真剣そのもの。



………し



「知るか!


てかお前もその気なんじゃん!」




「いざ言うときの為に参考にしようかと、あの女俺の予想もつかない行動に出るから。


でも、もしそうなったら後が怖いな。俺、東京湾に沈められるかも……


あ、親父の方に」


「親父?ああ、鴇田?てかあいつイチをそんな風に思ってなさそうじゃん。無関心ての?」


「……そう…なんですかね…」


響輔はグラスを両手に包み込み、ほんの少し目を伏せると淡い笑みを浮かべていた。


さっきのオフザケ(?)とは一転、響輔がこうゆう表情するときって何か妙な色気があるって言うか…川上もイチもこんな顏されたらイチコロだよな。


「だって鴇田のヤツ、実の娘よりも龍崎 琢磨の方が好きそうだし?未だに俺はキリさんと結婚するって言うのが信じられん。


てか、19年ほったらかしにしてきたんだろ?今更父親面されてもイチが鬱陶しいんちゃうん?鴇田の方も“親子ごっこ”を望んでない気ぃするし」


「まぁ会長のことは大切に想っていますよね。でも……


俺、思うんですよ。


鴇田さんは19年一結のことを放っておいたわけじゃないって。ずっと後悔してたんじゃないか、って。


だから娘に与えられなかった愛情を、会長に注いでいる。そんな感じがします」


あくまで感じですがね、確かめたわけじゃないし。と響輔は締めくくった。


ふぅん、そんなもんか?


でも……タイガの野郎もカズノリの存在をちらつかせたら目の色変えたよな。余裕ぶっこいてたくせに、一瞬でその余裕が崩れたぐらい。




親ってそういうもん?





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