。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
エリナのマドンナ的対応にどう思ったのか、千里がちょっとため息。
「いいのかよ、朔羅。堂々とライバル連れて旅行とか」とあたしにこそっと聞いてきて
あ、そっかー、千里はエリナがまだ戒のこと好きだと思ってるんだな。
あたしのこと、心配してくれてたんだな。
「大丈夫、大丈夫。お前が心配するような仲じゃねぇよ」
と笑って言ってやると今度は分かりやすくため息。
そんな千里の気苦労に気づいていないエリナは、通路を挟んだ向こう側からちょっと身を乗り出し
「一ノ瀬くんて朔羅の幼馴染なんでしょ~?いいな、かっこいい幼馴染がいて」
エリナの他意のない言葉に
ボッ!!!
千里の顔が真っ赤になった。
「か、かっこいい?」千里が赤い顔のまま奇異なものを見る目付きでエリナに聞き返し、その言葉は変な風に裏返っていた。
「うん。サクラやリコから聞いてるし。学校の肝試しのときとか、サクラを庇って怪我しちゃったでしょ?」
「あー……うん、あのときは全然かっこよくなくて、歩けなくて龍崎を頼るハメになっちゃったし」と千里は苦笑いで頭を掻く。
「ううん、すごくかっこいいことだよ?
脚の怪我は大丈夫?」
エリナはまたも柔らかく微笑み、その微笑は女のあたしが見ても
「眩しっ!!」
て感じで、あたしが男なら一発KO。
千里はマドンナエリナの顔をまともに見られないのか、ちょっと恥ずかしそうに顔を逸らし
「だ、大丈夫!」
何とか答える。
すぐ隣の戒が
「恋のかおりがする♪」
と、ニヤリ。
恋ぃ!?