。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



エリナのマドンナ的対応にどう思ったのか、千里がちょっとため息。


「いいのかよ、朔羅。堂々とライバル連れて旅行とか」とあたしにこそっと聞いてきて


あ、そっかー、千里はエリナがまだ戒のこと好きだと思ってるんだな。


あたしのこと、心配してくれてたんだな。


「大丈夫、大丈夫。お前が心配するような仲じゃねぇよ」


と笑って言ってやると今度は分かりやすくため息。


そんな千里の気苦労に気づいていないエリナは、通路を挟んだ向こう側からちょっと身を乗り出し


「一ノ瀬くんて朔羅の幼馴染なんでしょ~?いいな、かっこいい幼馴染がいて」


エリナの他意のない言葉に


ボッ!!!


千里の顔が真っ赤になった。


「か、かっこいい?」千里が赤い顔のまま奇異なものを見る目付きでエリナに聞き返し、その言葉は変な風に裏返っていた。


「うん。サクラやリコから聞いてるし。学校の肝試しのときとか、サクラを庇って怪我しちゃったでしょ?」


「あー……うん、あのときは全然かっこよくなくて、歩けなくて龍崎を頼るハメになっちゃったし」と千里は苦笑いで頭を掻く。


「ううん、すごくかっこいいことだよ?


脚の怪我は大丈夫?」


エリナはまたも柔らかく微笑み、その微笑は女のあたしが見ても


「眩しっ!!」


て感じで、あたしが男なら一発KO。


千里はマドンナエリナの顔をまともに見られないのか、ちょっと恥ずかしそうに顔を逸らし


「だ、大丈夫!」


何とか答える。


すぐ隣の戒が


「恋のかおりがする♪」


と、ニヤリ。


恋ぃ!?



< 225 / 424 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop