。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「あ、あたしマカロニサラダなら得意だよ♪」とエリナが言い出し
「じゃー、マカロニと…ハムと…」言いかけて、はっ!となった。
野菜コーナーで突如止まったあたしの顔を覗きこみながら、リコとエリナはびっくりしたように目を開いていて
「ど…どうしたの朔羅…」とリコが不安げに聞いてきて
「も、もしかして毒とか…!」とエリナも声を震わせる。
ガッ!
あたしはきゅうりの袋を掴み
「このスーパー、あたしんちの近くのスーパーより30円も安い!!」
そう言い切ると、二人はほっと安心したように…でも次の瞬間
「もー朔羅、思わせぶりな行動しないでよ」とリコが口を尖らせ
「あたしも~…何かすっごく危険なものを見る目付きだったから、びっくりした~」とエリナ。
危険なもの!?
まぁある意味このお値段は危険レベルに値するな。元取れてんのかよ。
ブツブツ言いながらカゴにきゅうりを放り込んでるときだった。
「朔羅~♪♪買い物どお?」とどこからか戒が顏を出し、その手にはビールや焼酎の瓶なんかがドッサリ入ったカゴを持っていて、天使みたいな顏に似合わず、おっさんだな。
お前らどんだけ飲む気だよ、とちょっと呆れた。
「そう言えば男子の意見を聞いてなかったな。おめぇ何食いたい?」と戒に聞くと
「から揚げ!」と元気な意見が返ってきて、戒の後ろに居たキモ金髪が続いて挙手。
「卵焼きっす!」
あー、それはもう知ってるからいいよ。
「一ノ瀬くんは?何が食べたい?」
と、大人しく戒たちの後にくっついていた千里を気にするよう、エリナが千里に微笑みかける。
「俺?……えっと…エビ??かな」
「じゃーエビフライにしよう♪」
にこにこ言ってエリナはリコと手を繋ぐと海鮮コーナーに移動。
「お前もっと愛想よくしろよ」
ちょっと呆れて千里を睨むと
「つったって、俺あんま女子と喋ったことないもん。お前とは幼馴染だし、リコはお前の親友だし」
「まー、そうだよな。こないだデートした子とも酷い終わり方したしな~」とボソッと言うと
「何なに!?一ノ瀬がデート!」
と耳ざとく聞いていた戒があたしに勢い込んできて、
てか戒……お前すっげぇキラキラした目をしてるけど、その奥で計り知れない悪意が隠しきれてねーよ。
「ちがっ!!てか龍崎に関係ないだろ!」
千里がまたも喚き
「まぁまぁ兄貴、千里だって男だしデートする相手ぐらい居るっしょ」
とキモ金髪が二人の間を取りなしている。
キモ金髪……お前ホントいい緩衝材だな。
でも
ホント、こんなまとまりないあたしたち、
ホントに大丈夫なのかな~……先行きが不安。