。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
響輔の友達(←正確には違います)の別荘がある場所まで、高速を飛ばして1時間と言う場所。
場所は聞いてたし、ある程度の道は地図を見て昨日覚えた。
前半部分はあたし、後半は響輔。
かわりばんこに運転しよう、と決めたのも昨日。
あたしは運転は嫌いじゃないし(むしろ好きな方だけど)、でも“彼氏”が運転して助手席に乗って楽しくお喋り、って言うのも悪くない。
あたしはギアを入れて、車は発車した。
車が走り出して10分も経たない内に、
「この音楽、あんたの趣味?」
車内を満たしているクラシック音楽が気になったのか響輔が目を細める。
「まさか。今度演るドラマが、バイオリニストって言う役なの。
イメージトレーニング」
「へぇ、女優てのも大変なんやね。しかもだいぶ先のドラマやろ?
一結はまだ顏出ししてへんのに」
と響輔は気のない様子で言って
「顏出ししてからが勝負なのよ。話題に昇るのを見越して、次々とドラマや映画に出て
名前を売らなきゃ、マネージャーが……」
と言いかけてあたしは思わず口を噤んだ。
「ああ、一結んとこのマネージャー……色々激しそうやな、あんたに劣らず」
まぁ激しいってことは否めないけど『あたしに劣らず』ですって!!
キィー!
ホントは何かに噛みついて引っ張ってやりたいところだけど、生憎今は運転中だ。