。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「まぁバレエのおかげでモデルにスカウトされたのもあるし、そもそもあたしはメインプリマになれなかった。上手な子がいて、いっつもあたしは二番」
響輔があたしに向けた温もりは、このときばかりは『同情』だったのかもしれないけれど、そう言ってくれて嬉しかった。
少しだけ赦された気がするの。
「この曲な、戒さんのプレイリストに入ってん」
「虎間 戒の?まぁ意外にあの子変なこと知ってるよね」
「知ってるて?戒さんの何を?」と響輔がちょっと興味深そうに身を乗り出し
「あたしが今度演る“サロメ(※)”を知ってたわ」
※聖書等に登場するヘロディアの娘で、愛する男ヨハネが手に入らないと知って、彼の首を切り落として自分のものにする、と言うもの(。。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。参照)
「俺も時々あの人が謎なときがある。戒さんは三味線も弾けるしな」
響輔は今日一番でハッキリ発言して、
「三味線?嫌味な……て言うか渋い高校生ね」
と言ってやると
「あんたも意外や。でも戒さんはほんま謎やろ」と響輔はどこか面白そう。
「ところで響輔はどんな曲が好きなの?」聞いたことなかった。恋人同士だって言うのに、響輔のこと意外に知らなかった…
「俺?俺はデスメタ」