。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
意外な答えに
「え!?ホント?」あたしが目を開くと
「ほんまや。あんたに嘘ついてどないなる言うねん。
あのヴォーカルのドスが利いてる超低音の叫び声が最高やねん。俺はあんま喋らないから、何か聞いてるとスカっとする言うか…
退いたやろ」
と響輔が口の端に淡い笑み。
「いや、退いたんじゃなくて……実はあたしも…」
超!好きだったわけで…
「小さい頃はずっとクラシック漬けだったし、その反動であの激しいのが好きになったの。
顏に似合わずってよく言われるけど、あたしの顔って何が好きそうなのよ、逆に聞きたいわよ。
あたしは耳が壊れるぐらい大音量で聞くのが好きなの。速いブラストビートのドラムとか、ギターとベースの激重感とか、最高じゃない」と口を尖らせると
「ほんま?やっぱあんたとは趣味が合うな」と響輔は嬉しそう。「戒さんはああ見えて普段はクラシックとかJAZZ聴いてんねん、あれでよく眠くならないんが不思議やわ」
「ホント、実はあたしもこのドラマが回ってきたとき『ゲ、面倒くさいなー』って思ったぐらい。バイオリンよりギターの方が好きだし、チェロよりベースの方がいい。
バレリーナの役だったら自信はあったのに」
あたしの意見に響輔は軽く声をたてて笑い
「でも一結が原型分からんぐらいメイクして叫んでるの想像でけへんわ。
やっぱあんたは優雅なバイオリンの方が似合う」
え……?
優雅!?
「見た目だけね。中身はデスメタがめっちゃ似合うわ」と響輔は付け加えて
何よ!見た目だけって!!
キィーーー!!!
あ、でも…あたしのこの(心の中で)叫ぶ癖、デスメタ好きから来てるのかも……