。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



わ…わわっ!


そりゃ唇同士のキスとかいっぱいしてるし、何ならお風呂にも入ったし


今更……な感じもするけど


ここ最近、戒とあたしはどっかよそよそしく、ギクシャクしてたから、恥ずかしいって言うか…


この変なブランクにどうすればいいのか分からず戸惑って目だけを上げると、戒はやっぱり切なそうな笑顔を無理やり浮かべていて…


何で…


何でそんな顏するの―――


何で、そんな寂しそうに笑うの。




まるで心が―――泣いてるみたい。




今度はあたしの方が戒の頭を引き寄せて、戒の頭にそっとキス。


ふわふわの髪が顎に当たってくすぐったい。


戒を離すと、戒はちょっと驚いたように目をぱちぱちさせていて


「何か新鮮だな」とちょっと笑った。


「うん」


あたしも戒からちょっと離れて……でも戒の隣から離れることなく距離を縮めたまま、膝の上で頬杖。


「なぁ…MIRACLEランドのMIRACLEキャッスルでキスすると永遠に結ばれるってジンクス―――あれ本当なのかな…」


と問いかけると


「さぁ、俺はそんな迷信めいたこと信じねぇし。ついでに言うとキモ試しもホラー映画も大丈夫だし、怪談話も全然大丈夫だ」


「そーだよな~……明日の夜、エリナがみんな集まって怪談話しようって、言い出してさ~


百物語みたいな?」


「百物語って…そもそもあの人数で百も怪談話ねぇだろ。つかロウソクがなくね?」


「そーだよね!じゃぁそう言う理由で何とか回避しよっ」


と小さく意気込んでいると


「新垣 エリナってあんな顏して結構怖いのも大丈夫なんだな。キモ試しはあんなに怖がってたのに」と戒が不思議そうに首を傾げ


「気を使ってんだよ。あの子はあの子なりに。千里がイマイチ溶け込めてないだろ?」


「なるほど。てかそこまで気ぃ使わなくてもよくね?」


と戒は苦笑いだったが、ふとその笑いを止めて




「新垣 エリナが気を使ってるのは、一ノ瀬を気にして……とかじゃなく


お前に、じゃね?」




え―――……?



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