。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
もはやキョウスケに何かあった!ていうのは明白だ。
あたしは階段を駆け上り
「待てって!朔羅っ!」と言う戒の制止を振り切り
キョウスケ&イチの部屋の前で、扉を蹴破った。扉は鍵を掛けてなかったのか、あっさりと向こう側に開いた。勢いを付けて蹴破ったから、扉が壁に当たって反動でゆらゆら震えていた。
「キョウスケっ!!どうした!?」
と、怒鳴ると同時に視界に飛び込んできた二人……
は…二人とも上半身裸に近いかっこで、抱き合い、キョウスケがイチの太ももを持ち上げていて、イチは…と言うとキョウスケの首にしっかりと腕を絡めていて…
キス―――をしている最中で…
へ!!?
「ぅわ!」
「キャァ!」
と、数秒遅れでキョウスケとイチの言葉が重なり、そこであたしがとんでもない状況に飛び込んでしまった、と言うことを自覚した。
つまり……おタノシミ中だったわけで…
ギャァ!!
「響輔っ…すまん!止めたんやけど!」と戒が放心したあたしの腕をちょっと引いて、さらには周れ右をさせて背中をちょっと押す。
「ちょっとしたハプニングやさかい…堪忍なぁ。
そいじゃ、お二人さん続きごゆっくりぃ♪
響輔、あんじょうきばりぃや♪」
と、戒の言葉を聞き流しながら、あたしはまだショックから立ち直れてない。
あんま……てかほとんど無いけど、人の濡れシーンを見たのは初めてだ!
しかも美男美女の絡みだから、何だか変ないやらしさはなく、すっごくきれいに見えた。
海外映画を観てるみたい。
あの二人からするとあたしなんてまだまだお子ちゃまだな…
って!冷静に分析してる場合じゃない!
さっき、ちらっと思った。キョウスケとイチはちゃんと付き合って昨日今日の関係だ。そんなすぐそんな関係にならないって…
あたしの勘めちゃめちゃ外れてるじゃん!
そして戒が「大丈夫やって」と言った意味がようやく分かった。つまり戒はそこんとこの勘がめちゃくちゃ良かったわけで…
ぅわー!!あたしは何てことをっ!!
改めて考えると、顏がすごく熱くなった。
キョウスケっ!!ごめんっ!!!!