。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「あ、あたしのことはいいからさっ!て言うかあんま変わり映えしないし。二人は?」とあたしは慌てて言ってリコとエリナを目配せ。
「あたしは何もないよ。ほら、家にずっと引き籠ってるし…
あのお兄さんの番号すら知らないんだよ?
はー、会いたいなぁ」
エリナが言う“あのお兄さん”て言うのが、もう“タイガ”のことだと簡単に結びつく。
「あの変態のどこがいいの?」とリコが苦い顔をして顎をひき、あたしも同感だ、と言う意味で大きく頷いた。
「顏?あとそわそわしてるようで、所々落ち着いてるところかな?」
とエリナが可愛らしく小首を傾げる。
まぁ?顏“だけ”なら頷けるが…
落ち着いてるぅ!?
またぞろリコと顔を合わせて、二人同じタイミングで「ないない!」と手を振った。
「何かいつも明るく笑ってるけど、あの人どこか影があるってのかな…」
影ぇ??
まぁ人に言えない(てかタイガは割と…てか結構オープンだけど)秘密はあるよな。
秘密……
と言やぁ、あたしタイガと―――
キス
いやいや、無いでしょ。
夢だって。だけど夢だとしても戒に話せないのは
やっぱり自分にどこか後ろ暗いところがあるから、なのか…
タイガのことこれっぽっちも好きじゃないのに。
時々…何かアイツに逆らえない時があるんだよな…
これも考えたら秘密になるのだろうか。
て考えてたら勿体ない!せっかくの楽しいガールズナイトなのにあの変態のこと考えるのは止そう!