。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「いくら女子三人だからって、三人でベッドは狭苦しいだろ。
俺の部屋来いよ。そしたらぐっすり眠れるかも」
と戒がさらりと提案してきて…
い、一緒に!?寝る!!それってつまり……
キョウスケ&イチのような!?
顔が熱くなるのが分かって
「ばぁか、変なことはしねぇよ。何考えてるんだよお前」
戒が軽くでこぴんしてきて、
あたしの考えを読んだのだろう戒は苦笑い。
「ま、まぁ?そうだよな~みんな居るしな」
でもみんな居る中でコトに及ぼうとしていたキョウスケ&イチのさっきの映像がパっと浮かんで、あたしの頬がまた熱くなった。
あれはかなりの衝撃だった。
キョウスケって何かその辺、オトコっぽくないって言うか…あんま性欲とか無さそうだったのに(←失礼です)
あいつも男だったってことか。しかもかなり激しめの……
「みんな寝てるかな」あたしがきょろきょろ辺りを見渡すと
「夜中も4時近くだ?全員おねんねじゃね?」
「でもお前は起きてたろ?ワインなんて飲んじゃって」
「あれはキッチンにあったの」
「勝手に飲んじゃっていいんかよ」
「いいんじゃね?飲まれたくなかったら隠しておくだろ?」
「ま、まぁそうかもしれねぇけど」
内緒話をしながら、戒と手を繋ぎ合って廊下を横切る。
秘密めいたやりとりが何だか「いけないこと」をしている子供のような気持ちになり、何だか楽しかった。
戒の部屋までそれほど距離があったわけでもないけれど、何となく……
こうやって手を繋ぎ合って、くだらない話をしながらどこまでも行きたい気がした。
見たこともない、地の果てまで。
しっかり繋いでいないと、この手はやがて離れる―――
漠然とそんな気がした。
戒が浮気をするとか……そんなことじゃなく、物理的に。
思い返せば不思議な所はいっぱいあったんだ。
急に旅行行こうとか言い出したり、その旅行に行くにもキョウスケが必要だってことも―――
間違いなく戒はあたしに隠し事をしている。
あ
また……
まただ、隠し事…
でもいい加減分かるよ。
戒があたしに隠し事をするのには、いつもあたしを守ってくれようとしているってことに―――
だからあたしも聞かない。
ただ、離れていかなければそれでいい。