。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
キスは触れるだけの優しいものだった。すぐに唇と唇が離れる。
「はぁー……ほんまは今すぐにでも押し倒したいんやけどなー」と戒はため息。
は!お、押し倒す!!?
「さ、流石にお前もこの状況では何もできねぇよな」
とあたしは苦笑い。
戒はたっぷりの間を開けて
「―――そうだな」
と、一言呟いた。
あ……また……切なそうに…悲しそうな強引に浮かべた笑顔がどこかぎこちない。
あたしは戒をきゅっと抱きしめ
「戒―――…」そっと名前を呼んだ。
「ん?」戒もあたしの背中に腕を回していて上目で短く聞いてきた。
「大好きだよ」
いつも以上に素直になれるのは、はじめての旅行と言うシチュエーションだからか。特別な夜な気がして。
「俺も……めっちゃ好き」
戒はちょっと顏を赤くしてあたしの首元に顔を埋める。何かを仕掛けてくる様子はなく、耳まで赤くなってるから照れてるんだろうな。
でも照れてる戒……可愛い。