。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
守りたい―――
本能……
そっか…そう言うもんなのか。
「でもお前寝てないんだろ?朝飯食ったら寝ておけよ。キョウスケだっているし」
戒と旅行の二日目、いっぱい遊ぶことを考えたけれど、寝不足に無理させるのはよくないし。
あたしがちょっと身を乗り出すと、戒はまた一歩後ずさる。
「何だってんだよ!あたしゃ心配して…」
と言う言葉を戒が遮った。
「だからだよ!俺は一睡もしてない。お前は無防備に俺の隣に寝てる。
その状況の中、俺は理性と必死に闘ってた。
寝てないからな、変なアドレナリンが出てるかもしれねぇし、お前に手が出そうなんだよ!」
へっ!?
ぽかんと間抜けな顔で戒を見ると
「そう言うわけだよ!だからあんまくっつくな!」
戒は本気で睨みを利かせて、あたしを見てくる。
「わ、分かった!何かごめん」あたしはベッドの上で正座をしてしゅんとしてると
「いや、お前が悪いワケじゃないし……これは男の問題って言うか…」
戒…それ以上は言うな。
それからと言うと…あたしは戒のお部屋からこそっと出て、隣の女子チームのお部屋をそっと覗くと、リコが身支度を整えていた最中だった。エリナはいない。
鏡に向かってグロスを塗り塗りしていたリコが顏を上げると、鏡の中で目がバッチリあった。
「あれ?朔羅、どこ行ってたの?」
「あ!えと……せ、洗面所!顏洗ってた!」
く、苦しい言い訳~…していると
「あ、サクラ、おはよ~どこ行ってたの?」と部屋に入ってきたエリナが昨日の夜見た寝間着姿で現れ
「洗面所今は誰も使ってないよ~、今使えるよ?」
………
エリナの悪意のない言葉に…いやむしろ善意しか感じられないが、
「朔羅~、ホントはどこへ行ってたの?」
ムフフとリコが笑い、
「え?え?」とエリナがリコとあたしの間で視線をいったりきたり。
ああ、せっかく楽しい一日が始まりそうってときに、早速嵐の予感!