。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
でもでもっ!朔羅の水着姿は見たい!
いらん男が二匹もくっついてるから、そいつらに見られたくはないが。だって独り占めしたいじゃん?でも独り占めして二人っきりになるときが来たら……
「今からでも遅ない!なぁ響ちゃん!
お前が前にあの女狐と一晩ともにしても何もしなかったワザを俺に伝授してくれ!」
必死になって響輔にしがみつくと
「気の持ちようです」と響輔は冷たい。
「ちっ!自分はさっさと済ませること済ませやがって」
悪態をついていると、響輔がスポンジを擦る手を止め
「急いでるつもりやあらへんけれど
一歩進んだら、一結は完全にスネークと切れるかと思うてました」
ぼそりと呟いた言葉はバスルームに響いて俺も響輔の方を見た。
「……過去形、なんだ?」
「分かりません。アホみたいですけどね。俺が出来ることって限られてる言うか……
ま、ハッキリと分かりませんがね、俺の気持ちが。
単なる嫉妬なのか、独占欲なのか」
嫉妬、独占欲―――か……
「何やお前、ふつーの大学生っぽいやん」
俺はわざとチャラけて笑った。
「戒さんはふつーよりかなり性欲が強いですがね」と響輔も笑う。
「何やと!」
どつきあいながらの掃除は、それでも楽しかった。俺らがまだ幼かった頃のそれと変わってなかったことを改めて知ると何だか嬉しかった。