。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「タイガさんが一結のことをどこまで本気なのか、知りませんよ、そんなこと」
響輔は顏を俯かせてそっけなく答える。
だけどふと考えが浮かんだのか顔を上げ、
「タイガさんは戒さんとお嬢がMIRACLEランドに行くことを知ってました」
「ほんまか?」
「ええ、間違いありません。一結んとこに電話が掛かってきて」
「うーん……」
と言うことは、やっぱりあいつがミラーハウスに居たって言う推理が成り立つよな。本人否定してたけど。
俺はスポンジを握りながら唸った。思いのほか力が入って居たのか泡がぎゅっと飛び出て俺の顏に掛かる。思わず目の近くに飛んだ泡を腕で拭いながら、シャワーヘッドの水で腕についた泡を流した。
水……
「キリさんには双子の妹か姉貴がいたって言ってたよな。水の事故で死んだのは深夕の方で間違いない。キリさんは何で“白へび”になったんだろう。深夕がスネークの後継者ってことになるんかな」
「タイガさんの弟か兄か護矢の方は死んだと推測するのが妥当ですよね。普通なら護矢がなる筈だった。その空席を埋めるため、と言う推理が妥当じゃないですか。タイガさんは白へびは“男”って言ってましたがけど、どこまで本当のことなのか」
俺はまたも鏡を覗きこんだ。スネークが例えた『鏡』
あの例えには『双子』と言う意味が含まれていた。
「まぁ確かに……」
やっぱり響輔の推理の方が正しいよな。歯切れも悪く頷くと
「もう止めにしません?この旅行のときだけは、そう言うの考えず純粋に楽しみましょうよ。
戒さんだってお嬢と楽しい想い出作りたいでしょう?」
響輔に言われて「おうよ」と俺は笑った。確かに響輔の言った通りだ。
せっかく朔羅と初!旅行(いらんメンバーも多いが)だしな!楽しまなきゃ損だ!