。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
水遊びも盛り上がってきたところ、海で泳ぎ辛いし、攻撃的な暑さも相俟って思い切ってパーカーを脱ぐと男子三人は目をキラキラ。
「最高!♪」と戒はぎゅっとあたしを背後から抱きしめてきて、
うぎゃぁ!いきなり抱きつかれてあたしの心臓はバクバク。
「おい!朔羅に近づくな!」と千里が目を吊り上げ、それでも
「一ノ瀬くん、今日だけは楽しもうよ、せっかく海に来たんだし」とエリナがマドンナ笑顔で言うと、免疫のない千里は流石にエリナの水着姿に恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。
一方キモ金髪は
「リコちゃん!すっげぇその水着似合ってる!すっげぇ可愛い!」とテンションマックス。
「え……そうですか?何か恥ずかしい」とリコは頬をバラ色に染めていて「でもダイエット間に合わなくて」とペロっと舌を出して恥ずかしそうにしてるリコに
「いや!今のままでいいから!うんっ!充分いいから!」
キモ金髪は僅かに顔を赤くしてふいと顏を逸らす。照れてる??
真夏の日差しより何よりあんたらカップルの方が熱いぜ。
てかキモ金髪…おめぇあたしを倉庫で堂々と犯そうとしてたよな。あれは何だったんだよ!
でも…
う~ん……初々しい♪何だかんだ、ちょっとこのカップルいい組み合わせかも、と思い始めてきた。
てか、色々(?)どさくさに紛れてあたしの胸のタトゥーのこと突っ込まれず…ちょっとほっ…としてたのに、
「姐さん、いかしたタトゥーっスね!!」
キモ金髪に指摘され、やっぱ流石に隠せる場所じゃないしな……てかキモ金髪目ざといな…てかどこ見てやがる!!
思わず両腕を抱きしめていると、千里の視線とバッチリ合っちまった。千里はこっちが恥ずかしくなるよ、って言うぐらい顏を赤くして慌てて顔を逸らす。こっちもタトゥーのことは気付いてる……?のか、気付いていないのか…
戒が千里に向かって「しっし」と言う仕草で手を払っていて、千里が目を吊り上げる。の繰り返し。このやりとり、もううんざりしてきたよ。
水際で遊んでいたあたしたちだけど、やがて大きなバナナボートに乗ったリコとエリナをキモ金髪はちょっと水深がある場所まで泳ぎながら二人を連れて行った。キモ金髪は水泳も得意そうだ。
三人がキャッキャ言いながら遠ざかり、あたしはちょっと疲れて海の家で借りてきたビーチパラソルの下座り込んで三人の行方を見守っていた。
水に入るって意外に体力いるのな。
学校のプール授業とか出てなかったから分かんなかったケド。
当然戒もあたしの横に居て、千里も休んでいる。