。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
恐怖心!?
☆ 恐怖心!? ☆
コンビニはキモ金髪の別荘から歩いて10分と言う所にあった。
歩くだけで汗が噴き出てきて、到着すると汗だくだった。コンビニはエアコンがガンガンにかかっていて、入るだけで「天国!」だ。
すぐにパーカーに染みこんだ汗が冷えて行く感じ。
コンビニは都会と違って客は少な目だった。けれど全くのゼロって言うわけではなく、ここいらにあるビーチで遊んでいると思われる客が数組いる。
千里とエリナは目当てのアイスコーナーに一直線。あたしもついて行こうとしたけれど、戒は飲み物が欲しい、と言ってドリンクコーナーに向かう。あたしは何となく戒についていった。
「流石にあちぃよな」と言って取り出したのはポカリのペットボトルで。ビールじゃないことにちょっとほっ。
「アイスのついでにジュース買ってこ」とあたしもサイダーのペットボトルを手にすると、戒はあたしの手からそれを抜き取り、いつの間に持ったのかカゴにそれを入れる。
「さっきはああ言ったけどさ、ここは俺が払うから」と戒はこそっ。
「え?いいよー、そんなんじゃゲームの意味ないじゃん」ズルはいけない、と言う意味でちょっと目を上げると
「ばぁか、俺が本気でお前に金出させる気なんてねぇよ。ただああ言えばお前はゲームに乗ってくるって思ってさ」
「え…?」
目をぱちぱちさせると
「やりたかったんだろ?ビーチバレー。一つ、夢が叶ったな」戒は屈託なく笑い、あたしの髪をくしゃりと撫でる。
エリナと千里は、一方的に千里がぎこちないものの、アイスコーナーで楽しそうにしていた。
うん……何だかんだでビーチバレーゲーム楽しかったし、エリナと千里も楽しんでくれたみたいだし。
その二人の姿を見た戒がニヤリと笑い
「やっぱあいつらお似合いだよな」と。
「うーん、まぁ?お似合いっちゃお似合いな気がするけど、でもエリナは千里のこと何とも思ってないっぽいぜ?」あたしは苦笑い。「てか、強引にくっつけようとするのやめようよ、二人に悪りいよ」と続けて、あたしもアイスコーナーに移動しようとした。
そのときだった。
コンビニの扉が開閉するメロディが流れて、三十代と思われる男二人組がコンビニに入ってきた。地元の人間なのだろうか、慣れた様子でアイスコーナーの方に歩いていき、
「サクラ~♪見て、これ美味しそう!」とイチゴ味のシャーベットを手にしていたエリナがこっちに向かって手を振っていたものの、その男たちがあたしたちの前を素通りしていく際、エリナの顏がさっと強張った。