。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


ここまで来て流石に隠す…?て言うか意図的に隠してたわけじゃないけど、千里に全てを打ち明けると


「はぁ!?ストーカー!!」


千里が声を荒げ、ちょうどコンビニに入って行こうとした女子大生っぽい二人組がぎょっとしたように立ち止まり、千里は慌てて口を覆った。


「……ごめん、俺……全然知らなくて…」千里は申し訳なさそうに項垂れる。


「う、ううん!言ってなかったあたしが悪いし……一ノ瀬くん、さっきはびっくりしたよね…ごめんね…」エリナも俯いた。


「いや、びっくりは……したけど。謝ることじゃねーだろ、それ」と千里がほんのちょっと目を吊り上げ語気を荒げる。


「……ごめん」エリナは益々俯き


「いや!そのっ!新垣さんがっ!謝らなくてイイ!て言う意味で!


そんなんストーカーするヤツが悪いに決まってんじゃん!」


千里は鼻息を荒げる。


「て言うワケで、俺らがボディーガードしてたの。ま、最初は俺一人だったけどな」と輪留めに腰を下ろした戒がヤンキー座りで忌々しそうに顏を歪める。


買い物が終わったのであろうさっきの女子大生二人組が出てきて、戒の姿を見るとまたもぎょっとして慌てて顔を逸らしそそくさと逃げるように立ち去っていく。


戒……お前、ワル丸出しだぜ。


「そゆうこと。だから今回の旅行エリナも誘ったんだ。いっときとは言え悪いこと考えないで済むだろ?」


まぁ、そんな易しいもんでもなかったが。エリナの心を蝕む悪はあたしが想像するより遥かにでかくて厄介だと言うことに改めて気付いた。



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