。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「あれ?アイスは?溶けちゃうから食べてきたの?」と小首を傾げると
「うん……まぁ…ちょっと色々あって…」と朔羅は背後に居るエリナをちょっと目配せ。エリナは朔羅に隠れるように朔羅のパーカーにしがみついている。
何かあったのだろうか。
目をパチパチさせていると、朔羅がことの全容を聞かせてくれた。
「ぇえ!コーチが!?」
「や!別人だったんだけどね、背格好が似てたって言うか…」
「あのタイプはどこにでも居るからな」と龍崎くんが腕を組み眉間に皺を寄せる。
龍崎くんが言うのももっともだ。
「あ!そだ!しまった!
コンビニで昼飯買ってこれば良かったー」
と朔羅は明るく話題を変えた。
「今から何か作るの大変だしね」とエリナはちょっと落ち着いたのかおっとりと笑い
「昨日のスーパー行く?」とあたしが提案すると
「俺、さっき看板見たけどこの先グリーンタウンってちょっとした街があるみたい。カフェとか土産屋がいっぱいあるみたいだったぜ」
龍崎くんの声に、すぐ反応したのは響輔さんで、その後ろにくっつくようにイチさんが居て、(どうやらイチさんとの喧嘩を中断したらしい)響輔さんが手にしたタブレット端末を操作しながら
「ここから10㎞先にありますね。車で10分程度で行けますよ」との言葉に
「よし!そこにしようっ!」朔羅が手をあげ
「いかにも観光っぽいしね♪」とあたしが言い足すと
「お土産も見たかったからちょうどいいね」とエリナがわくわくと話に乗ってきた。
エリナ……良かった。ちょっとショックが和らいだみたいだ。