。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
偶然!?
☆ 偶然!? ☆
キモ金髪の言う車は文字通り大型なバンで
「ちょっとぉ!こんなダサい車を運転するの!」とイチは車を目に入れると目を吊り上げた。
「決まったもんはしゃぁないやん」と言いつつ、サっと素早い動作で一番後部座席にキョウスケが乗り込む。す…素早い…
え……助手席じゃないの?と一瞬思っちまったが
「俺はしばらく一結の隣はいやです」とキッパリ言い切って、「新垣さんと一ノ瀬くんも」と二人を勝手に手招き。
「何よ!あたしの運転に不満があるの!?」とまたイチが喚く。
「不満はあらへん。一結はこう見えて運転は上手い。けどまた喧嘩になるのはいやや。疲れる」
とキョウスケは無表情であっさり。
キョウスケに促されて、何となくエリナと千里がキョウスケの隣に入り込み
「真ん中の席はお嬢と金パ…黒髪くんとリコさん、助手席は戒さん」と響輔が提案…と言うか指示して、確かにスペース的にもメンバー的にもそれが一番妥当だと思った。
助手席は……戒かぁ…
戒と隣同士になりたかったけど、戒は「何で俺が女狐の隣なんだよ」とブツブツ不服そうに、それでも大人しく助手席に収まる。
「あたしだってあんたが隣はイヤよ」とイチの方も本気で嫌がってるっぽいし。まぁ嫉妬することでもないか。
イチは、さっきの女優ドレス…て言うかネグリジェって言うのか?から爽やかな淡いブルーの襟抜きシャツと細身のジーンズ、ビビットピンクのパンプスと言う姿。変装用だろうかベージュのキャスケットと黒ぶちのダテメガネを掛けている。
女優って私服のセンスも抜群だな!てかあのほっそいヒールで運転するのか?
ちょっと心配……するも、イチの運転は意外と上手かった。流石鴇田の娘なだけある。あいつも上手かったからな。
キョウスケの100倍まし!だ。
と言うワケでグリーンタウンなる場所に向かった。