。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


「言えない…て、何で?サクラもオススメしてこなかったし…むしろ同じこと言われたけど、それとはちょっと違う感じ…


だって龍崎くん、凄く真剣で―――




怖いんだもん」




そう言われて、俺は自分の表情が険しかったことに気付いた。


新垣 エリナがちょっと怯えたように顎を引く。


「いや、ごめん。怖がらせる気ぃはあらへんねん。


ただ、アイツは危険な男やから」


今はそう答えることしかできない。


「キケン?」


新垣 エリナは見知らぬ単語を聞いたように小首を傾げる。


「それはヤクザさんだからって言う意味?だったら龍崎くんだってサクラだって…」


と新垣 エリナの言葉を遮り


「ちゃう。アイツはただのヤクザやない」そう被せた。


またも表情が険しくなったのが分かったが、この際取り繕ってなどいられない。


新垣 エリナがタイガに恋をしているのなら、アイツはそれに付け込む筈だ。


それだけはさせない。


これ以上、新垣 エリナを巻き込めない。危険な目に遭わせるわけにはいかない。


「ただのヤクザじゃないって…じゃぁ龍崎くんはただのヤクザなの?」


と鋭いツッコミが入り


「いや……そゆうんじゃなくて」


あーもぅ!!どう言ゃあいいんだよ!


と頭をガシガシと掻いて、ふと思い立った。


俺が新垣 エリナの方を振り返ると、新垣 エリナは警戒するようにちょっと顎を引いた。




「アイツ、妻子持ちだぜ?」




とっておきの技だ。しかも嘘は言ってねぇ。




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