。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「マジでさ、俺アイツのこと大っ嫌いだし、朔羅に纏わりつく鬱陶しいムシだから、どっかいってくんねーかなぁ?とかじゃなく、あんたら結構お似合いだと思うけど?」
俺は風車小屋のてっぺんら辺を見ながら言った。
「てか、俺そんな陰険じゃねーし。男だろ?闘う時は真正面から闘う。
響輔の時と同じようにな」
「あのおにーさんのときと……同じように…?」
新垣 エリナがようやく顏を戻し不思議そうに目をぱちぱち。
「てか俺の兄貴じゃねぇから。一ノ瀬が朔羅にマジなのは分かってンよ。それでいて俺とマジで闘う気があるのなら、俺は受けて立つ」
朔羅は今、風車小屋のどの辺なんだろう…
ぼんやりとその様子を思い浮かべてると
「龍崎くん……ちょっとかっこいいね」
と新垣 エリナが隣でちっちゃく言った。
「は?どこが?」さっきは卑怯とか言ったくせに。
俺が顏を戻し目を細めると、
「かっこいいよ。そうやって言い切れるのって。でも惚れないよ?だって龍崎くんはサクラが大好きだし、サクラも龍崎くんが大好きだし」
新垣 エリナは悪戯っぽく微笑んでいて
「一ノ瀬くんかぁ」
両手を組むと伸びをして、「んー、考えとく。この旅行で変わるかもしれないし」
「頑張れよ」頬杖をついて遠くを見ていると
「何-?さっきは正々堂々と、って感じだったのに」と笑った。
しかしその笑いを途中で止めて「でもさ、さっきのお兄さん…タイガ…さんだっけ?龍崎くんはその人のことが
怖いの?」
と聞いてきた。
怖い―――?