。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
*一結Side*
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.。*†*。. 一結Side .。*†*。.
響輔と二人、こうやってお日様の下で腕を(一方的にあたしが)組んで歩けるなんて!
そう、あたしは浮かれてた。
さっきワゴン車での態度はちょっと気に入らなかったけど、まぁいいわ。
「腹減ってへん?何か食いに行こうか」
と響輔がマップを取り出そうとするも、片手が塞がってる(言うまでもなくあたしが巻き付いてるんだけどね)状態で鬱陶しそうにあたしを見て
「もぉ、これじゃ地図すら見ぇへんやん」と言いながら乱暴にあたしの腕を払う。
「ちょっとぉ!その扱いは何よ!酷いじゃない、彼女に対して!」あたしが目を吊り上げると
「ほな、こっち」とぶっきらぼうに言って手を差し伸べてくる。
一瞬本当に意味が分からず目をまばたいていると
「こっちや」と言って響輔がぐいとあたしの手を引っ張り、それほど力を入れてないのにも関わらずあたしは響輔の胸元に抱き寄せられ、ついでのように響輔の手があたしの手を握ってきた。
さりげなくあたしの指と指の隙間に自分の指を絡ませてきて……
こ、これって俗に言う『恋人繋ぎ』ってヤツじゃない!?
と、ドキドキしながらも、素直になれないあたしは
「これでも変わんないじゃん、片手塞がってるし」と言うと『じゃ、やめるわ』とか言いそうだったけれど、そう言わずに響輔は反対の手で持ったマップをバサッと片手で振って開いた。
「ん」
とまたも短く言われ、またもキョトン。
「そっちの端、持って?」と地図を目配せしていて、あたしはあたしも空いた方の手でマップを手にすると、あたしたちは手を繋ぎながらマップを二人で覗きこむ、まるで恋人同士だ。
いえ、今は『まるで』なんて言葉必要ないわね。
これが恋人同士なのね!♪