。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
写真はあたしのスマホで撮ることにした。
二人寄り添ってスマホを翳してると
「待って」と響輔が言い出し
「何、まだ魂のこと気にしてるの?」といい加減うんざりしてきたところに、すっと響輔の手があたしの頭に触れ、そっと髪を撫で梳く。
え…?
「さっき、帽子外したとき、ちょっと乱れてたから」
響輔はあたしの頭を優しく撫で、ついでに髪に指を滑らせて
「うん、これでええんちゃう?」と満足そう。
響輔はマイペースだけど、凄く優しくて、あたしの気持ちをちゃんと考えてくれて響輔の手はあったかくて…
またも顏が熱くなるのが分かった。自撮りなんて初めてって言う意味もあるけれど、緊張で手が僅かに震えた。
「それやったらブレるやん」と響輔の手が自然にあたしのスマホに伸びてきて、二人してスマホを翳す。またふいに近づいた距離。
響輔…最初は嫌がってたのに、ちょっと…ううん、かなり嬉しい。
そんなやり取りを店員さんが見ていたみたいで
「お撮りいたしましょうか」とにこにこ願い出てくれた。
それに素直に甘えてお願いすると「はいチーズ☆」と店員さんの掛け声であたしは笑顔を浮かべた。
確認する意味で店員さんがあたしにスマホを戻してきて、その画面にはあたしの笑顔と響輔の淡い微笑、そして窓の外の樹々の緑、テーブルに置かれたスイーツの数々がちゃんと映ってって、
凄くきれいだった。
響輔は無表情かと思ってたけど、少しだけどちゃんと笑顔で。
これ!絶対永久保存!
「素敵なお二人ですね」と店員さんににこにこ言われて、嬉しくてあたしはその後きれいなスイーツにも満足して二人して「こっちのも旨いよ」と言われて「あ、食べる~」とか「一結が食ってるのもうまそうやな、ちょっと頂戴」と言って取り替えっこしたり。
ああ、もう最高に幸せ!