。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
グリーンタウンには『グリーンロード』と言うメインストリートがあって、その脇にはずらりとお土産やカフェが建ち並んでいた。
その一つに天然石を扱ってるジュエリーショップがあった。そこもまたさっき入ったカフェと同じでちょっと高級感が漂っている。
ジュエリーショップなんて行き慣れてるけれど、白い外壁と、ちょっとウッディな看板が雑貨屋ぽく見えて尚、入りやすそうだった。
ちらりと店の中を見やると、若い女の子たちで結構な賑わいを見せていた。
あたしが何気なく足を止めると
「何?気になるん?」と響輔も足を止めた。
「…うん、まぁ?…気になるっちゃなるけど」
「何やハッキリせぇへんな」と響輔はため息をつき、あたしの手を引いてそのジュエリーショップのような雑貨屋さんに足を踏み入れた。
相変わらずマイペース。
でも……外観以上に内装は素敵だった。白い木の壁。ゴールドのちょっと凝ったデザインの大小様々な形をしたオシャレな鏡の前、ネックレスやバングル、ピアスなんかのアクセサリーがずらりと並んでいる。
あたしたちはゆっくりとそのアクセサリーが陳列されているテーブルや棚を見て回った。
「何か欲しいのあった?」と響輔に聞かれあたしは首を横に振った。普通の女子高生、女子大生にしてはちょっとお高めの値段設定だけれど、それでも店内は適度に賑わっている。
突き当りは指輪コーナーになってて、そこには色んなデザインのリングが飾られていた。
あ、ペアリングなんてのもある。
あたしがその場で足を止めると、再び響輔も足を止め
ガラスのショーケースの中に飾られたリングたちを眺めていると
「何かお探しでしょうか」とカウンターショーケースの向こう側で店員と思しき女の人がにこにこ笑顔で問いかけてきた。
正直、こうゆう所で声を掛けられるの好きじゃない。
でもあんまり感じ悪く払うのもどうかと思われて、適当に眺めるフリ。
すると、本当に「あ、可愛い」と思えるリングに目がいった。