。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。

それよりも


「可愛いよね、ねぇ響輔買って?」と素直におねだりすると


「はぁ?買わへん」と響輔がハッキリと顏を歪めて、店員さんは苦笑い。


「何よ!」思わず目を吊り上げて、だけどすぐに指輪を取り外し革張りのトレーに戻した。何か…彼氏におねだりして即その場で断られるなんて惨めじゃない。


はぁ……響輔にロマンを求めたあたしがバカだった。とさえ思えてくる。


でも、そこで「買うたる」とか言ってくれれば、嘘でも嬉しかったのに…


朔羅の薬指にもちょっと可愛いリングがはまってた。きっと虎間 戒が買ったに違いないだろうけど。しかもあの二人、何気にストラップもお揃いだったし。


その二つはあまり高価とは言えないけれど、そうゆうのちょっと憧れてた。


項垂れながら店を出ようとすると、流石に響輔も悪いと思ったのか俯きながら




「だって……あんた、あんな指輪よりもっとごっつう指輪男から貰ってるんやろ?



俺があげた指輪なんて見劣りしてまうやん」とボソッ。




え………


そんな理由?





「バカね、響輔は」思わず笑うと


「はぁ、何で?」と響輔はまたも顏を歪める。


「そんなこと女は気にしないよ。好きな人から貰ったものなら例えおもちゃの指輪だろうが嬉しいの」


ホント、乙女心が分かってないわね~


と、ドヤ顏で続けると、響輔の額にぴくぴくと青筋が浮かんだ。


「あんたが、乙女語るな。男を餌食にしとった魔性の女やないか」


「ちょっとぉ!魔性の女呼ばわりなんてひどいじゃない!」


あたしたちは店員さんの居る前でギャーギャー口喧嘩。


「……あの…」と店員さんに言われ、


「あ…すんまへん」と響輔が頭を下げ、「このリングのペアリングてあります?あ、あのこんなゴテゴテしたやつやなくて、もっとシンプルめなやつ」と聞いていて


あたしは目を開いた。




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